それについてきた私の幼馴染と彼の妹。
祖母とお爺さんが2~3話をしている間、私たちお子様3人は仲良く水溜りで遊んでいた。
と、突如お爺さんが納屋に入った。
出てきたおじいさんの手には
トマホーク!!
殺すの?
ブッ刺しちゃうの!?
え・・・もしかして焼いて食べる?
驚くちびっ子達に構うことなく、ヘビに向かう勇者おじいさん。
うごめく蛇の傍らにより、彼は躊躇うことなくトマホークを振り上げた。
ザク!
先端が地に突き刺さる鈍い音が響いた。
しかし、蛇は傷一つ負わず、曝される恐怖から必死に逃げようと地を這う。
その瞬間・・・
グルグルグルグルグル!!!!!!!
お爺さんがトマホークを回している。
絡められていく蛇。
それはまるでスパゲッティーを思わせる。
随分太いスパゲッティーだ。
しかも長い。
ってか1本だけかい!?
そんな事を考えていると、お爺さんが突如蛇の絡まったトマホークを振り上げた。
とどめをさすのか!?
殺してしまうのかその蛇を!?
いくら私有地に無断で侵入したとはいえ
いくら幼い子供たちが危険に曝される可能性があるといえ
こんな物心付かないちびっ子の前で殺生をするなど・・・
固まる私たち。
おじいさんを見守る祖母。
次の瞬間・・・・・
ブゥン!!!!!!!!
打ったーーーーーーー!!!!!!!
ホームラン!!!!!
その姿まるでゴジラ松井。
トマホークを軽く持ち替えたおじいさんは、バッターがバットを振り上げるかのごとくそれを思いっきり振り回した。
投げ出された蛇。
中に舞う蛇。
驚いた蛇。
彼にはその時、今まで生きていた人生が走馬灯のように流れたに違いない。
遥か彼方へ投げ飛ばされた蛇は、鳴き声一つ上げずに(蛇はなかねぇ)我が家の水田へと落ちていった。
安堵の声で礼を言う祖母
爽やかな顔で去っていくおじいさん。
唖然とするちびっ子3人。
その後、蛇がどうなったのか
知る者は誰も居ない。
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