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  • » 2024.06
節分
Rika 2歳の決意-私は今を生きる


節分

チョコレート会社の宣伝に押され、影の薄くなってしまった2月の行事。

日本古来の伝統である災厄予防の呪い節分。

古き時代に人々を脅かす鬼に焼いた豆をぶつけ撃退したのが発祥という
日本人ならばら誰もが知っている行事である。

2月5日。
家々では豆を買い、その年の安泰を祈りながら
「鬼は外・福は内」といって豆を投げる。

我が家もその中の一つ。
幼少の頃はよく家族で豆まきをしたものだ。
その頃まだ幼かった私達の豆まきには
豆の他にチョコレート・飴玉・ジェリービーンズ等
子供の大好きなお菓子がふんだんに混ぜられていた。

食べ盛りの4姉妹は我先に我先にと、鬼人の形相で死闘を繰り広げ
持っていたビニール袋いっぱいに撒かれた豆を拾い集めていた。
取らねば取られる。
喰いたければ死に物狂いでそれを拾い集めよ。

サツマイモに引かれる豚のように。
エサに群がるハイエナのように。

過保護とも言える今の児童教育からは考えられぬほどの
弱肉強食の世界がそこにあった。


しかし、いくら必死に集めたところで、結局は成長している長女から順に
御菓子を沢山手に入れるのだ。

末っ子の私はいつも一番少なかった。
そこで私は考えた。

姉達は皆必死になり豆を拾い集めている。
歩幅もスピードも今だ勝てる所は無い。
ならば、ここで一計を案じようではないか。
目先の食に必死になっている姉達の意表を付き
一瞬でもその動きを鈍らせる事が出来たなら勝利の女神は私に微笑む。

幼かった私。
2歳だった私。
そんな私がそれほどまで頭を働かせたのはこの時以外に無い。

どう動きを鈍らせるか?
足に絡みついたとて、蹴り飛ばされ後でボコられるのは明らかだ。
手に取った御菓子を奪ったなら、エセ空手チョップを喰らうだろう。
手に入れたお菓子袋を強奪しようものなら、後の人生は無い。

一か八か

私は賭けに出た。
母の手から離れた御菓子。
目の前に飛んできた瞬間それを素早く掴み
食う


その場でお菓子をバリボリバリボリ・・・・。
姉達の動きが一瞬止まった。
今だ!
小さなボディーにビッグな脚力。
作戦が成功し喜び勇んだ私は、手付かずのまま床に散らばったチョコボールに手を伸ばした。



サッ!

目の前を何かが横切った。
驚いて見てみると姉が私の狙っていた御菓子を袋に詰めている。

流石私の姉をしているだけの事はある。
一筋縄ではいかない。

そして私は新たな策を用いた。

母がお菓子を放り投げる瞬間
叫ぶ

「あー!何アレー!?」

その声に姉達の動きが一瞬怯んだ。
今だ!!
小さなボディーにビッグな脚力。
作戦が成功し喜び勇んだ私は、手付かずのまま床に散らばった飴玉に手を伸ばした。



グニャ!!



踏まれました。



イてぇってのよ!
何すんだよオメェ!!!

しかし、私の非難の眼差しをよそに姉達はどんどん御菓子を拾っていきます。

呪われろ・・・・!!



かくして幼き日の豆まきは終了するのでした。
可哀想に思った母が、仏壇に上っていた豆を私に暮れたのは言うまでも無い。
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【2007/02/28 15:45 】 | おもひでポリョポリョ
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